カウチポテ子

すずめの戸締まりのカウチポテ子のレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.2
「君の名は」「天気の子」に続き新海誠監督が震災とどう向き合い、どうしたいかをある意味エゴ的に咀嚼する映画

過去2作と今回の映画を観て感じたのは、新海誠監督の映画の主人公は新海誠であるということだと思います。

表現したいこと、メッセージなどに物凄いパワーをかけて、ストーリーには最低限の整合性をもたせてる監督だと思うので、ツッコミどころ見つけようと思えばいくらでも見つかると思います。
しかし、監督にとってそんなことはどうでもいいのだと思います。
そこに賛否が別れるのも理解できます。

特に今作は作中に3.11の災害と提示している部分があり、そこをあえて提示する必要があるのか?と疑問を持たれる方も多いと思いますが、監督は提示することを覚悟として今作を制作したと新海誠本に書かれていました。

つまり、新海誠監督が災害とどう向き合うかが映画のベースであって、誰かへ対するメッセージや応援はなく、新海誠監督自身の災害に対する今の捉え方のある意味集大成を表現している作品だと思いました。

私は過去2作と今作で登場人物に心情移入できなかったのですが、それは多分、新海誠監督に心情移入していたからかなと思います。
また、そこが賛否両論を引き起こすもう一つの要因だとも思いました。