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すずめの戸締まりのauaiのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭10分の満足度がすごい。

言うまでもなく映像が綺麗で、どうしようもなく美しい世界にと裏腹に災害が起きようとしている残酷な対比が心に残った。新海誠こういう描写多いよね…?

すずめはごく普通な女子高生だと思っていたが死ぬことが怖くないとはっきり言うのが印象的だった。生を諦めている訳でもないのに、絶望もしてないのに。明るい性格をしていて無気力さも感じない。
「生きているのは運次第」と言っていたところから、震災の体験から執着がなくなったのだろうか。達観した?母親を失くして以降「独りぼっち」であると強い自覚があったのかな。
大事な家族を無くし、ちょっと距離感のある叔母との生活、好きな人も特段出来たことがない彼女が、叔母の家族としての愛と草太への恋心で生きる意味を思い出したのかもしれない。
旅の途中で親切な人びととの出会いも人への愛を思い出す手助けにもなっていただろう。
常世ですずめに言った「光に包まれて生きている」という光は間違いなく環や草太のことで、喪失したばかりの幼いすずめに母親の形見であり愛の象徴である椅子を渡す、行ってきますという台詞は光の世界で生きる宣言だと思った。



監督は震災を風化させない思いとかもあるのかな。大震災以降変に地震に慣れてしまった日本人を客観的に観させられてしまった。

すずめの選択は基本的に共感できて、ちゃんと同じスピードで物語を追うことができた。

観てよかった。

お返し申す!!が頭に残った。
うちわで「お返し申して🔑」ってやりたい
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