ぜる

すずめの戸締まりのぜるのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

名作。期待以上に面白かった。

事前に友達がタイトルバックを絶賛していたのは知っていたがその気持ちも分かる。メインテーマがワンフレーズだけ流れるのも粋。

すずめさんが草太さんとダイジンを追いかける所の音楽がめちゃめちゃ良い。というか全体的に音楽が凄い良かった。OST待ってます。
RADWIPSがあまり出張らなくなった分物語に没入出来た感じはあったな。勿論彼らの音楽と物語で紡がれた作品たちが素敵なものというのは前提としてあるけど。

船に乗ったあたりでこれ路銀とか大丈夫なんかなと思ったけどそこは人の温かさでカバー。
天気の子の他人に無関心な冷たい人々を見た後だと心が洗われる。とはいえ世の中そんなに良い人ばかりでもないとは思うけどね。

それと芹沢朋也とかいう草太さんの友達の話していいですか???
何なのあいつ良い奴過ぎるでしょ。すずめさんに声かけるシーンとか悪態をつきつつ気を遣える所とかも格好良いし、周りから女侍らせてるクソ野郎と思われちゃう所とかも不憫であざとい。すき。
新海誠作品のこういうポジションのキャラクター本当にツボ。わざわざ20km二人を追ってきたのも2万円の件のネタばらしも「お前!!!!!!芹沢!!!!!!」って気持ちで見てた。

ラストの後ろ戸に入る時の台詞と常世での過去との邂逅はあんまりにも素晴らしすぎて涙は出てくるわ声漏れそうになるわ大変だった。
過去のすずめに対する今のすずめさんのアンサーもすんごい良かったね…。散りばめられていた伏線が綺麗に回収された所も百点満点。
大きな悲しみを堪えながら要石を刺した東京と、ミミズを封じるため二人で一緒に要石を刺した故郷の対比も良かった。草太さんが復活してからあのシーンまでのカタルシス凄い。
地味な所だけど草太さんを助けるために手を伸ばすシーンで、一度滑ってしまった手をすずめさんが強く握り直す所はグッときた。

ボロボロになりながらも愛する人を助けるために突き進むすずめさんのメンタリティよ。17歳のそれではない。
新海誠作品の主人公、回数重ねる度にどんどん思い切りが良くなってないか?日本横断までするのは中々。
でもその積み重ねがあるからラストの「おかえり!」がより染みるんだよね。終わったあとの余韻もたいへん心地よかった。

個人的には最高傑作。君の名は。以前の作品は結構人を選ぶそうだけど、機会があれば観てみようかな。
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