竹犬

すずめの戸締まりの竹犬のレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.4
イケメンに出会って旅に出る道中ギャグありのロードムービー。
やや上映時間が長いが、普通レベルには面白い。

だけど、今回は311の地震が物語の中心的な骨格として存在している。
今まで災害をテーマにしてきた新海作品だけど、隕石落下や大雨水害という「どこの何」と特定されていないので作中の災害として気軽に受け止められた。
しかし、今回は明確に311である事が提示されてる。
序盤の廃屋の上の船。
あれは311を象徴するものとして心に刻まれている。
そしてスタート地点から道中に訪れる都市、
宮崎→愛媛→神戸→東京→宮城
全て地震で大被害に遭った都市だ。
各地のみみずの発生を閉じ師が収めていく。

ここで、私の感覚がおかしくなる。
災害を人の働きで起こらないようにする?
いや、そんなん無理やん!!
フィクションはフィクションとして受け取ればいいのに、物語が現実の災害とリンクしすぎてて認識を分離出来ないのだ。
起こった事は起こらないように出来ないし、地震の発生をヒトの力で収める事もできない。
そんな感じで、フィクションと事実の分離に失敗した私はエンディングまでモヤモヤとした時間を過ごすハメになりました。

終盤の過去のすずめとの邂逅や戸締りは、自分の心の整理は自分でつけろというメッセージなのだろうと受け取った。
311に限らず悲しい出来事は自分で整理して戸締りしないとね。

あと、すずめが「私が要石になる」と言った際のダイジンの表情の変化の意味が掴み損ねたのだけど、あれは何だったんだろう?


あと、イケメンは正義
間違いない

追記:違和感の正体はコレかな?
「勝手にこじ開けといて、戸締りしろとかいうんじゃねぇよ」
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