次の新海誠はちゃんと映画館行こうと思ってたけど、
いや〜本当に観にきてよかった〜!
君の名はも天気の子も天災についての話だったけど、
今回は直接的に311を描いていて、
しかもその孤児が主人公ということで、
ぜんぜん知らなかったから食らったな〜。
そもそも自分が要石を退いてしまったとこから始まり、
草太の戸締まりに付き添ってく鈴芽なんだけど、
興味深かったのは伯母を納得させることができず、
ずっと気が気じゃない伯母が並行して語られてくこと。
超現実な少女の冒険ものにはさせてくれず、
じっとシャツの裾を掴まれてるような感じは
観ていて歯痒くも感じさせるんだけれど、
観終わってみるとそこが今作の肝だったのかもしれない。
鈴芽自身は世界を救うっていう意識でやってることだけど、
結局のところは鈴芽の個人的な話に帰着していく。
ってのは「世界系」の説明そのものだけれど、
震災というマスにとっての悲劇というのが、
個人の悲しみとして回収されるべきことだというのは
たしかに「世界系」として語っていくべき話ということなのかも。
あれだけたくさんの人が死に、傷を負った災害に対し、
我々が何をしてきたかと言えば、
それは個人個人ができることをしてきたとしか言えない。
でも死んだ人は帰らないし何かを元に戻すことができぬ以上、
締まらぬままの扉は残されたままであり、
決して満たされぬ何かが残されている。
だから先に進むために必要なこともまた、
誰かと生活し、誰かと出会い、
そして閉ざした記憶を思い出すこと。
そういうことを続けてくしかないんだよなぁ。
世界を襲う災害を救うことと並行して、
2人の若い男女がいい感じになっていく話。
新海誠の作品はいつもそんな話と言えちゃうけれど、
やっぱそれって高らかに言ってくべきメッセージだと思うし、
世界と向き合うことが個人個人の戦いである以上、
世界系ってちゃんと理にかなっているんじゃないか。
そう感じた作品でした。
もはや誰もが観に行く作品になってる新海誠だけど、
私は間違いなく肯定していきたい。
と確信した忘れがたい一作でした。