yoshiyuki

すずめの戸締まりのyoshiyukiのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.1
やっと観れた。『君の名は。』以降の新海誠作品では1番好み。

土着信仰を絡め、常人では太刀打ちできない、気づかないうちに人間の生活を脅かす強大な運命に抗う展開を、新海誠は『君の名は。』以降で繰り返し描いてきた。しかし、今作はそれに加えてパーソナルな要素が色濃いと感じさせられた。すずめと草太という『自分のことをあまり大切にできない人間』がそれを克服していくという物語は、自分自身の過去から見た現在を肯定するという行為によって完結されている。それにより、『生きたい』という希望がストレートに伝わってくるのが良かった。

すずめと草太の、恋愛とは何か違う関係性も含めて、新海誠作品が新しい地平への一歩を踏み出したのかなと感じられる作品。
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