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すずめの戸締まりのpuppyperoのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

・君の名は。、天気の子共に、新海誠の描く新海誠的世界観,プロット,キャラ造形の童貞感がキツくて非常に苦手だった(共感性羞恥がすごい)んだけど、今回は比較的新海誠味が薄目。

・自然災害という、ある種「どうにもならないもの」を描いているのに、最終的に「地震も全部未然に防ぎました!人的犠牲も出してませ~ん、いぇーい」みたいなヲチになってくるのはどうかと思うし、要石も結局元々閉じ師とかの人だったわけですよね?そいつらのことはどうでもええんかい、っていう気もしないではない。
明らかに東日本大震災に向き合うというコアがある作品だと思うんだけど、であればやっぱりある程度被害は出て、それでも、それでも「そしてまた歩き出す」という話の方がグッとくる気がするんだけどなぁ。
フィクションでくらい奇跡があってもいいじゃない、という見方もあると思うんだけど、それは震災をモチーフにした作品でやるべきで、震災=トラウマに向き合う作品でやるべきではないでしょう。
道中でお世話になった人たちが誰も死んだり被害にあったりしないのも「うーん」という感じ。一度閉じきれずに(小さいミミズでいいので)地震が起きてしまって被害が起き、知らなかったとはいえ要石を抜いてしまったことに対する強烈な自責の念を覚えるプロットが必要なのでは? 封印解いちゃった系の話はそういう展開があるから終盤までの主人公の行動原理になりうるわけだし、東京上空のミミズに対する「こんなのが倒れたら、、、、」という感じがより深刻になると思う。

・芹澤くんは童貞の考える理想のイケてる男、みたいなドぎつい濃縮液みたいなキャラでしたね。いや今までほどは嫌いじゃないんだけども。
芹澤くんが絡んできてるあたりの会話劇は小気味よくて好きでした

・祝詞、「お返しします!」とかでいいのか?という疑問はある。

・ミミズ、要石が抜けるとダメなのか、扉から出てきちゃうとダメなのか微妙にハッキリしないためずれていくゴールライン。まぁ扉から出てくるのは対症療法で、要石刺しとくのが根治的治療ということなのかもしれないけど。
誰がどうみても禍々しいなにか、という造形としては秀逸だと思います。無限列車で似たようなの見たぞ、とは思ったけど。

・文句は書きましたが、アクション的な面白さもあり、ロードムービー的な面白さもあり、でまぁ普通にいい作品だと思います。

・主人公の、フェンスとかガードレールを飛び越える仕草、モタモタしてなくてすごく好き
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