震災が題材とされる中では、軽薄な印象。
すずめがすくなくとも表面上、淡い恋愛感情に基づき行動していて、震災で死んだ母親に対する思いを丁寧に描くものではないし、震災で亡くなった大勢の方の思い、残された者の思いといったものも同様。
行ってきますと出かけていった思いが突然の災害で失われていったということは感じ取れるがそこは深堀りされない。
拭いきれない母親への思いが、ちょっとした「イケメン」についていく、現実から逃避してしまいたい心持ち、淡い恋心で扉の向こう側に押しやれるかのような描写はあまり好きになれない。
新海誠作品のやるせない思い、切なさといった心情の表現が好きだが、この作品は震災をざっくり取り扱った、中途半端な描写の女子高生の成長ストーリーでしかないように感じる。ジブリぐらいの成長感。
