マケソニア

すずめの戸締まりのマケソニアのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
2.6
さすがに映像が美しすぎる。
空、都会の街並み、料理は圧巻。新海誠作品においてこれらの描写は象徴的で、アニメーションでここまでできるんだーって感じ。
実写では表現しきれないというか、実写でやっちゃうとやりすぎーって思うような描き込み・加工もアニメーションの上では美しーってなるからこれこそアニメの良さだよなーとか思った。
新海誠独特の自然現象や災害にフォーカスした設定も嫌いじゃない。扉を閉めるっていう作業自体わかりやすいしそのほかの散りばめられた設定もすごく好きだった。

けど所々、ん?ん?みたいなのがすごい多くてモヤモヤした。まず、閉じ師。ネーミング何これ。突飛で安っぽい感じ。
大地震なんて地球と共にあることだしその対処のための職業なら数千年前から受け継がれてきた由緒ある感じがあってもいいのに。
扉に鍵をかけるって文化自体かなり新めだから最近できたのかな?戦後とかかな?いやでもジジイから受け継いだ割には発生の予兆とか対処も遅過ぎてもう見えてから行ってますやん素人ですやんってなる。
ほんで要石の存在もなんか曖昧。ネコは再び要石に戻ることを拒絶していた割にあまり大きな心の変化がないままクライマックスではまた元に戻る。なぜ?すずめに嫌いって言われたから?一緒に遊んでもらえないことがわかったから?最後らへんちらっとあなたが導いてくれてたのねみたいになってたけど、巨大ミミズが落ちそうになってる時冷たすぎるのなんでやったんとかいろいろ矛盾もあった。黒いやつに乗っ取られてたのかな?黒いやつは最後白くなってなかった?え?
よくわからんけど映像は綺麗だし数分に一度、何かしらのイベントがあるから飽きずに見られるけど、その飽きさせない工夫のためにセリフとか感情とかの接続をすごく蔑ろにしてる感じ否めない。

災害とか理不尽に降り注ぐ天災に対して何かしらの対処があるのではないかという希望を見せる点は人類にも自然に打ち勝つ術があるのだとワクワクするけど、じゃあ誰かがミスったからこんだけ被害が出てるんだって思っちゃうから良いのか悪いのか。閉じ師にとっては最悪かな。

てか普通に奇妙な猫が人類を椅子に変えまくれる能力持ってんの脅威すぎだろ。
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