マケソニア

君の膵臓をたべたいのマケソニアのレビュー・感想・評価

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)
1.9
公開当初、映画館に観に行った。
当時高校生。映画館で観る映画は家のテレビで観るのと全然違うって感動して映画を観に行くのにハマるきっかけとなった作品。
生きる尊さ、人間的強さとかを学んだ気がしてた。
当時はクライマックスでめっちゃ泣いたし、死に近づいていく少女に切なさや悲しみを抱き、二人の距離が近づく度に同じようにドキドキしてた。
「君は死ぬの?」「死ぬよ」で深い谷に叩きつけられたようにその瞬間、少しの間全てを失った。

あの時のピュアな気持ちを返してくれ


今見返すと、文化祭の演劇のような独特の空気や主人公の女の子のメスガキ感、話題性を意識しすぎたタイトルやそれ故の結末の粗さなんかが気になる。
2000年代初頭の、やけにカーストやクラスでの立ち位置なんかを気にして、人が人を気にしすぎていた時代の人間のキモさが表れててキモかった。尚且つイジメとかの倫理観がブラッシュアップされる前の感覚とかが感じられて余計。
主人公の男の子は他人に興味ないって割には他人に期待はしてるし自分を諦めてる感じは見えなくてめちゃくちゃシャイでナルシストなだけじゃんって思っちゃう。1人で居られる強さを評価されて好意を持たれてたって感じだけど普通に孤立してるだけだし、こいつは人を選べる強さはない上に流されやすいだけのなんなら人間としてかなり弱い部類。少女が突発的に好きになるだけの魅力がない。仲良くなる人を選べないから学校で会ったら軽く挨拶はするだけのうっすい友達は多いけど誰からも一番とは思われてなくて、派閥とか意識できないからいろんなところに顔出してだいたい等しく軽めに嫌われてるくらいがリアル。「あえて1人でいます」みたいなやつだったらガムくんみたいなぽっと出じゃなくて、めっちゃ深い親友なり幼馴染なりとベタベタなのが常。群れず、自分たちだけの帝国を築いて、青春謳歌する学生想像するとめちゃエモ。
「他人はあなたのことをちゃんと見ていてくれてるよ」って、伝えたいんだろうし、好意も敵意もそれは等しくあなたへの興味なんだよって優しい世界だな。
承認欲求強めの日陰者の妄想って感じ。
「自分が思ってるより人間は他人に興味がない」って方が響く人多いんじゃないかな。この映画見て自意識過剰になっちゃって失敗する子とかいたらすごく可哀想。

少女の終わり方に関しては変に捻りすぎて品がないし、その終わり方の割にお母さん軽すぎない?
病気に寿命を奪われるのは運命の悪戯のようでどうしようもないやるせなさがあるだろうし割り切れるようで真意では割り切れていないはず。ここに葛藤がある中、大切でかわいそうな我が子を人為的に切り刻まれたとして1ヶ月じゃ起き上がれないって。もう10年経ちましたね。みたいな顔してたやん。不自然すぎる。娘の死を心待ちにしてたか、娘の余命を宣告された時に母親は心を失ったか。


少女のキャラがずっとエロ漫画的ヒロインみたいだった。エロ漫画原作の世界のエロなしサイドストーリー感(シリアス路線で)。
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