しゃけ造

すずめの戸締まりのしゃけ造のレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
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理不尽に意味を与え続けてきた新海誠らしい作品が、ついに日本人にとって最も大きな理不尽たる「地震」をテーマに作った作品。そのため物語の主題は、従来重視されてきたジュブナイルよりもむしろ、地震という理不尽と、その中での主人公の成長譚に置かれていたように思える。序盤のあまりのサクサク展開には少し辟易したものの、地震への向き合い方が今らしく、良かったように思える。しかし、歴史と現実問題としての地震を強引に結びつけすぎている節があり、ところどころリアリティを欠いていたところは残念。ダイジンの行動原理がよくわからず、草太が身代わりにされた原因などは、あまりにセカイ系に近づけようとして理由説明がうまくいってなかった感じもあり、ところどころモヤッとする要素はあった。とはいえ、旅パートは中々良かったし、伏線の起こりは雑なものの回収はきれいであり、うまくストーリーにまとめてあるのではないだろうか。