夏の少年少女は、走っている姿がよく似合う。まるで短いこの夏の期間に、急いで大人になろうとしているみたい。
特別な何かになりたい、なれるはずだと当たり前のように思っていたあの頃に観たら、きっと直撃しただろうなと予感するけれど、
そこそこの大人になった今のわたしには程よい距離感で観られた。
っていうか、すっかりガラケーにエモさを感じるようになってしまったことに、ガラケーで青春時代ど真ん中過ごして来た世代としては、まじかいつの間にそんなアイテムになってしまったのっていう戸惑いが若干あるんだけれど、
今作にはタイムリープ要素があるので、時代を感じるのにぴったりだなあって思った。
もう少しししたら、きっとこのエモさからも遠くなって、レトロな感傷になっていくんだろうな。
毎日を味気なく思っても、こんな神秘的なトンネルが目の前に現れても飛び込めないくらいには、大切なものがちゃんとある、尊い毎日をわたしは過ごせているんだな。
うん年前のわたし、直撃してもちゃんと生きていくんだぞ。