ルイまる子

生きる LIVINGのルイまる子のレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
3.0
東京国際映画祭の出品作は、ほぼ全部が芸術的レベル高い作品ばかりだったので、え?なんつーわかりやすい理路整然と整い、説明的な映画!と改めてイギリスだけが堅苦しい人たちだったことを再認識した。イギリスは他のヨーロッパの国々と根本的に違う説、この作品を見るとわかる。今研究中の「リスペクタビリティ」の研究対象として、興味深く見た。紳士になりたかった男がいつの間にか「ゾンビ」になっちゃった(比喩)。死に直面し、ゾンビが初めて生きる気になったというお話。黒澤映画の『生きる』がベースだが、イギリス版にすると「紳士的であらねば」という社会的、精神的重圧により、生きることをすっかり忘れてしまった人の物語に変換可能なんだな。

*私の最も嫌いな映画『アバウト・タイム』の日本での大ヒットにより、まぁ似ている今作も日本ではヒットするだろうし、同じお父さんのビル・ナイの演技は素晴らしい。
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