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生きる LIVINGのFrengersのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
3.2
原作は見ている。しかし不思議な映画。会話主体で俳優頼みのドラマ作品にも関わらず、顔のアップはそれぞれの視点の交錯がうまくハマっていないし、切り返しばかりで話し手のワンショットを繋ぐばかり。長回しは独白ばかりで演技やムードが切断されていくような繋ぎ方。時系列の入れ替えも効果をあげてたかどうか。
窓越しの光、逆行の反復によって主人公が「新しく生きる」ことが強調される。そこ以外の演出、撮影、編集は掴み所無し。

タイトルロゴの50s感も面白いんだけど、例えば同じように1950sを舞台にした『キャロル』(『エデンより彼方に』もかな)を見たあとだとそこまでドキドキしない。中盤のカレンダーで初めて舞台設定を明らかにする方が驚いた。

酒場に連れ立った時、公演を前に警官とやりとりした際の方に手を置く仕草と分かってはいてもブランコは泣けた。

2022年に『生きる』を作り直したのはなんでだったんだろう…。
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