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生きる LIVINGのuのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.8
また、素敵すぎる作品に出会ってしまった、、、、。

静と動、明と暗の巧妙さが美しく悲しい。
加えてビル・ナイの圧倒的存在感。

まさに言葉を失い涙し、ただただ観入った。

余命宣告され、人生を見つめ直した主人公が、「どうやって暇を潰したらいいかわからない」「自分の心がゾンビのように死んでしまっていくのに気付かなかった」と途方に暮れるシーンがなんとも印象的。

子供の頃に目を輝かせて語った夢も、大人になるとそんなことも忘れて、日々を生き抜くのに精一杯で、日に日に少しずつ心が蝕まれてしまう。そして、なんのために生きているんだろうと不安に襲われることがある。

そんな時にこの映画を、彼の生き様を思い出したい。そう思えた。

また、彼の生前の自身と息子の関係に心が苦しくなった。一見冷め切った親子の関係に見えたが、実際にはお互いを思いやり愛しているからこその言動だと納得がいった。けれどもそんな最期は息子にとってはあまりに受け入れ難いものに違いない。

終始、人生とは、人とは、生きるとは、死ぬとは、と考えさせられる作品。そしてこれからどのように生きていこうか見つめ直すきっかけをもらえる作品。

映画ファンの皆様にはけしからん!と思われることは承知だが、原作の「生きる」を未鑑賞のまま本作を鑑賞したため、早く観なくては。

余談ですが、日比谷のTOHOシネマズではプレミアムシアターで鑑賞できたためおすすめです。
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