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生きる LIVINGのTKCのネタバレレビュー・内容・結末

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

大学生の頃に見た、自分の生き方に強烈なインパクトを与えている「生きる」のリメイクと聞いて、見ない訳にはいかない…!と思い突撃してきました。

ストーリーとしては原作に忠実でしたが、台詞やプロットはしかし、かなり独自の解釈を加えている印象で、同じ作品でもこう違うか…と感じました。
そしてそれでもやはり感動しました。どのように生きるか、今私は「生きて」いるか、ということを見つめ直させてくれます。そしてあんな風に生きることは本当に難しい、ということを実感する毎日です。この映画は多くの人に見て貰いたいので、リメイクしてくれたことに大感謝です。(何様

↓大きく違いを感じた点
※うろ覚えなので正確かどうかはわからないですが、印象ですので、許してください、原作もまた見たいと思います。

①故人の回顧シーン
原作は葬式のあと、井戸端会議が行われ、特に登場人物の明確な明示がされず、サラッと行われた印象。そこが警官だったり、息子や同僚の輪郭を持った人物と明確な場所によって行われた。新人への手紙とか。

この部分は主人公が映画の中で見せている姿がその人間性の一部(原作)、と捉えられるorほとんど映画の中で語られた人格に閉じてしまう(今作)の違いを生んでいる気がしました。


②「課長さん」が行動を起こすきっかけが原作では元同僚の「子供達の喜んでいる顔を想像をして仕事をしているだけよ」という言葉にハッとしたのに対し、本作は「紳士」になりたかったんだ、という独白によってスイッチが入る。

ここは空っぽだったからこその無垢な情熱(原作)と過去の理想像への意志(今作)という違いを感じました。主人公の行動を起こす起源の部分という重要な場面で実は主人公の人格の捉え方が結構違うように感じた。


どちらが良いとかではないですが、好き嫌いでいえば原作の日本ならではの芋っぽさと主人公のなんとも不器用な人格が好きかもしれません。

でも、素晴らしかった…!演技も、外国ならではの風景も、言語の違いも、違和感なく調和して、完成されていた…!

歌がね、上手すぎたのかもしれない。
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