あまのうずめ

生きる LIVINGのあまのうずめのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
3.6
ピーター・ウェイクリングは市役所初出勤の列車に上司と乗り込む。同じ列車の別車両には市民課長のウィリアムズが乗っている。市民課には色々な陳情が来るもたらい回しが慣例だ。ウィリアムズは早退し病院で検査結果を聞き余命が半年だと知らされる。息子のマイケルにそのことを告げようとするが息子夫婦は家を出ようと話すのを聞いてしまう。


▶︎黒澤明監督作「生きる」をカズオ・イシグロがロンドンを舞台に脚本を書いたリメイク作。ビル・ナイが主演男優賞、カズオ・イシグロが脚本賞でアカデミー賞にノミネートされた。

葬儀の慣習の違いによりウェイクリングをフューチャーさせることで焼き直しているが、ここまで寄せるかという位酷似していた。ただカズオ・イシグロらしく“紳士たること” は前面に立てている。

画面サイズを原作と同じにするなどのオマージュも見られた。原作のエグさを取り除きソフトに上品で余韻が楽しめる様になっていて、ビル・ナイとカズオ・イシグロの功績により引き立った作品だった。