カリオット

ミュンヘン:戦火燃ゆる前にのカリオットのレビュー・感想・評価

4.1
派手なアクションシーンはなく、外交がメインの骨太人間ドラマ。中盤から緊迫感が張り詰める。こういうスパイ映画が大好きだ。

宥和政策に囚われ弱腰だった英仏と、その姿を見たナチスが増長していったきっかけでしかない?(勝手に領土奪われたチェコスロバキア……)
このミュンヘン会談のおかげで時間を稼いで戦争に勝てた、かのように描かれていたが、果たしてそうだろうか?単なる連合国側の苦しい言い訳でしかないのではとモヤっとしたのだが…、まあ歴史を様々な視点から見ることも必要かもしれない。

大国同士の思惑に翻弄される中小国。ここではチェコスロバキアが犠牲になったわけだが、現在のウクライナと重なる。歴史は過去の出来事ではなく、今現在も続いている延長線上にあるものだ。戦争は今始まったばかりなんだ。
これからのことを考えると暗澹とした気持ちになる。

"生きる時代を選べないが、どう生きるかは選べる"
ポールのセリフにハッとさせられる。頭を思いきり殴られたような衝撃。しばらく頭の中が混乱し続けそうだ。

ジョージマッケイ君、やっぱり走ってた笑。ちょっとした表情にも惹かれる。好き。
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