ミュンヘン:戦火燃ゆる前にの作品情報・感想・評価・動画配信

「ミュンヘン:戦火燃ゆる前に」に投稿された感想・評価

重苦しさと不穏な雰囲気が漂う大戦前夜の画面がいい。
そらと相反して、若き外交官二人のストレートな熱量が伝わってくる。
チェンバレンが日和見にも狡猾にも見えてくるバランスの取りかたが好感持てる。
派手なアクションシーンはなく、外交がメインの骨太人間ドラマ。中盤から緊迫感が張り詰める。こういうスパイ映画が大好きだ。

宥和政策に囚われ弱腰だった英仏と、その姿を見たナチスが増長していったきっかけでしかない?(勝手に領土奪われたチェコスロバキア……)
このミュンヘン会談のおかげで時間を稼いで戦争に勝てた、かのように描かれていたが、果たしてそうだろうか?単なる連合国側の苦しい言い訳でしかないのではとモヤっとしたのだが…、まあ歴史を様々な視点から見ることも必要かもしれない。

大国同士の思惑に翻弄される中小国。ここではチェコスロバキアが犠牲になったわけだが、現在のウクライナと重なる。歴史は過去の出来事ではなく、今現在も続いている延長線上にあるものだ。戦争は今始まったばかりなんだ。
これからのことを考えると暗澹とした気持ちになる。

"生きる時代を選べないが、どう生きるかは選べる"
ポールのセリフにハッとさせられる。頭を思いきり殴られたような衝撃。しばらく頭の中が混乱し続けそうだ。

ジョージマッケイ君、やっぱり走ってた笑。ちょっとした表情にも惹かれる。好き。
小説をもとにした作品。
淡々と着々と進むけど、常に緊張感もあり、ハラハラしつつ、どのシーンもじっと見てしまうくらい見応えあった!
史実を扱う話だから余計ピリピリしたし、戦争を起こすまいと思い、間違った方向に進もうとする国を止めたいと命をかけて奔走する人たちに胸がギュッとなった。



第2次世界大戦の影が忍び寄っていた1938年の秋。
チェコスロバキアを手中に収めようともくろむアドルフ・ヒトラー率いるナチスドイツに対し、イギリスのネヴィル・チェンバレン首相(ジェレミー・アイアンズ)は平和的解決を図ろうとミュンヘンで緊急会談で開く。
全世界が注視する中、ヒトラーの危険性を察知し、密かに反ナチスの活動をしていたドイツの外交官ポール・フォン・ハートマン(ヤニス・ニーヴーナー)は、この会談の協定を止めるため、重要情報を共有するため、旧知の仲であるイギリスの政府官僚ヒュー・レガト(ジョージ・マッケイ)を会談に呼ぶよう画策し、ミュンヘン会談が始まるーーー。



最初のオックスフォード大時代の映像が、とても青春しててキラキラしてて眩しい。
だからこそ、今彼らが経験しているところの危機感がすごい。

時折挟む回想シーンも良かった。

ヒュー「君のいうドイツは、他者の苦しみの上に築かれている。」
ポール「英国人が搾取について説教とは」
…てのは、なんとも皮肉が効いてたな。

このとき、ポールはドイツ人に自信を持たせてくれたヒトラーを支持していたと。
ヒトラーて、新興宗教的な魅力もあったんかなぁ。

そういえば、ヒトラーが、ポールがオックスフォード大学に行ってたというのを気にしてるの気になった。ヒトラーは最終学歴は中学くらいみたい。色々挑戦したけどダメだったようで。
そういうコンプレックスがあったのかな。
もし思うように学校に行けてたら歴史は変わってたのかな。
しかし、色んな人が演ってるけど、真面目にヒトラーを演じるって難しいやろな。カリスマ性ないとあかんし。


世界史の記憶を掘り起こすと、
ミュンヘン会談とは…
ドイツ系住民が多数いるチェコのズデーテン地方はドイツに帰属するべきと主張したヒトラーに対し、戦争を起こさないため、イギリス・フランス両首脳は、これ以上の領土要求を行わないことを条件に、ヒトラーの要求を全面的に認めたってやつ。
でも、ヒトラーの本音は違って、ズデーデン地方を手に入れたら、その後も武力による侵略戦争を起こして領土を拡大しようとして、第二次世界大戦に繋がる。

…改めて見るとギョッとする。
それは、今のウクライナとロシアを観ているようだから。
新ロシア派がいるから独立させてロシア配下にしたい。
今、ウクライナに譲歩したら?みたいな意見もあるみたいやけど、もし、ウクライナの領土の一部渡したら、それに調子付いて、あちこちに難癖つけて更に広げてようと武力でくるんやろうなー。

歴史は繰り返す。
そして、歴史から学ぶことは多い。

世界史でこの辺を勉強してる時は、こんなこと現代で起こるなんて夢にも思わんかったわ。。


この映画の最後は、まあなんと賢しいというか笑。

ミュンヘン会談のあと、ヒトラーとチェンバレンは改めてよりはっきりした協定を結ぶ。
わざとより目立つ約束をしたのは、
・そのままヒトラーが守って落ち着けばよい。
・もし破られたとしても、いざ起きた時に、アメリカ等より大きな勢力でドイツに総反撃する。そのために協定は時間稼ぎにもなる。
…と、どう転んでも今後手を打てるようにしてる。

先を読み裏を読み、相手がどう動いても優位なように種をまく。最終的に相手を倒せればよい。
外交はゲームだなぁ。
チェンバレン首相が本当にこの考えのもと動いてたのなら、自分の名声より、より大きな視点で見た上での戦略。なかなかの策士。
ただ、このせいでチェコが酷い目にあったんだろうな。イギリス制作だからイギリス目線てとこもあるのかな。
んー、でも、ここで宥和政策しなければイギリス国内も揉めて、グダグダになって団結して勝てなくて、イギリスのみならず、ヨーロッパ全土で、より大きな被害が出てたのかもしれない。。
チェンバレンが、「私は与えられたカードでしかポーカーはできない」と言うてたけど、あの時彼が今できることの中で、イギリスにとっての最良の判断てことになるんやろか。
そう考えると、なんと見事な。
最後、ヒューが感心してたのも納得。

しかしまあ、これ含め歴史を見てると、イギリスってほんと賢いね〜…🙄
勿論、そのせいで犠牲になった人たちは多いけど、カドが立ちすぎないところでうま〜くおさえてるというか。。



「俺たちは生きる時代を選べないが
どう生きるかは選べる。

誰かの助けを待てと?
希望など持たない方がいい。」


このポールの言葉は重いし、
ヒューはイギリスに戻ってこの言葉を心に動く。

ううううむ。重い。。。。
ウクライナもそうやし、台湾もそうやし。
これからの日本も。。



役者さんたちが本当良かった!

ヒュー役のジョージ・マッケイほんといいな。
THE英国人な感じ。
優男なようで信念を持って勇敢に正しいことをしようとする役が似合う。
彼の表情は引き込まれる。
緊張感あるときや泣きそうなとき、特に。
彼は演技をしているというより、等身大な印象を受けるナチュラルな演技がすごく上手いのかな。
当たり前やけど、スーツ姿カッコいいのは英国人。

ポール役のヤニス・ニーヴナー、めちゃカッコいいな!イケメン!!ドイツ人。
ドイツ人としてこの役をしたのは光栄なのかな。
彼の、オックスフォード時代・ヒトラーに狂信していた頃・反ヒトラーとして命懸けで闘うところ、の、演じ分けがとても良かった。
反ヒトラーになったキッカケが、あのキラキラした彼女の現在の姿のせいだと観て悟ったとき、とてつもなく悲しかった。。。
怒りと絶望を抱えている演技もよかった。。
最後、バレなくて心からホッとした。
しかし、もしあの時、銃を撃っていたらどうなったんだろうか。。
やはり、彼が最後に言うていた、自分にその権利はあるのかと言うのは…そうだよね。。
ポールは生きててほしいから、あの時踏み留まったのは賢明なのかな。。

チェンバレン役にジェレミー・アイアンズ。
渋くて気品があるおじさま。
彼が演じるから、チェンバレンも良い人に見えてくる笑。

あと、ホレス卿役にアレックス・ジェニングス。英国スキャンダルとかで見た役者さんや。
めちゃええ声と英国イングリッシュでいい!!

さりげにヒューをサポートする女性も粋で良かった。

いやー、すごくよかったんやけど、これを二、三年前に見てるのと、2022年に見てるのと、だいぶ印象変わるなぁとも。。


でも、この前見たクーリエでもロシア側でキューバ危機を止めたいと命懸けで国の意向に逆らってスパイ行為してる人がいたり、今回のようにナチスを止めようと命懸けで国の意向に逆らおうとする人がいたり。
辛い。。
でも、そういう人たちがいるというのは、救いでもあるのかな。。
今のロシアはどうなんだろうか。。。


普通の人は、誰も戦争なんて望まないよね。。。
望んでるのは一部の人で、洗脳されてしまうんだろうか。。。


ああ、世界はどうなるんだろう。
緊迫感ある。
この映画に限らないが、歴史的事件の裏側を描いた作品は、結局史実通りになることで「じゃあこの物語意味なかったじゃん」と思ってしまうこと多くてもやる。
h1sash1kjm

h1sash1kjmの感想・評価

2.7

このレビューはネタバレを含みます

第二次世界大戦前、英国チェンバレン首相とヒットラーの間で結ばれた共同宣言の舞台裏を描く。ドイツで反ヒットラーのスパイ行為を行うオックスフォード時代の同級生と英国政府で働く主人公。ヒットラーの侵略を防止すべく協力する。チェンバレンが珍しい良い人として描かれる。
こういう、アクションではない戦争スパイものの秀作がドンドン出てきてほしいところ。

青春時代を共に過ごした若者たちが、それぞれドイツとイギリスで外交の重要人物となり、連携してヒトラーの戦争を阻止するべく、チェンバレンに働きかけていく。

キャリアや命を賭け、SSの目を盗んでのスパイ行為には熱い矜持を感じるし、結果が分かってるのに、スリリングで終始ハラハラドキドキの面白さ。

派手さはないものの、まったく弛緩せずに引き込まれます。

根本的な価値観が違う相手とは対話での解決は不可能で戦争は避けられない、という趣旨の主人公のセリフには、領土への野心を持った近隣の全体主義国家と自国の貧弱な国防を思って戦慄。
どこまでいっても「分かり合えない」
お互い同じ言葉を話せるのに、男女もすれ違うし国もすれ違うし、首脳陣も友情も全部すれ違う

「もっとできることはあるはずよ、希望を持たなきゃ」
「そうだね」

「でも希望は持たない方がいい」

瞼の裏に花火とシャンパンがこびりついて離れない
希望と友情に満ち溢れた、あの3人が今も見える
pherim

pherimの感想・評価

4.2
ヒトラーとチェンバレン首相の秘書官になった親友同士が、ミュンヘン会談下に再会し各々第二次大戦の勃発回避へ挑む。

“俺たちは生きる時代を選べないが、どう生きるかは選べる”🔥

ジョージ・マッケイ他、とりわけナチス側演じるドイツ名優陣の魂籠る競演に痺れ通し。



Jannis Niewöhner, Sandra Hüller, August Diehlの3者めぐり追記予定。
(マッケイ&ジェレミー・アイアンズはたぶん省略)
Mayuko

Mayukoの感想・評価

3.8
終始淡々と物事が進むが、なぜか目が離せない。

この作品ではチェンバレンがミュンヘン会談を通して戦争準備の時間稼ぎをし、その結果戦争に勝利した的な形で描かれてるけど、実際のところは、ナチスに対する宥和政策の結果、ナチスドイツの増長、第二次世界大戦勃発の要因となったという見方がここ最近のミュンヘン会談に対する共通認識のはず。

まあ、あの時はこの会談に署名することが最善だったのかもしれないけれど…でも2人の若者が頑張って動いたのに状況は変わらなかった残念🙃

あとマッケイとニーヴナーイケメンすぎて多分それも目が離せない要因😗

兎にも角にも、とても観てよかったし、ミュンヘン会談にフォーカスを当ててる映画ってなかなかないと思うから、そう言った点でも価値のある作品だと思った
葉

葉の感想・評価

-
緊張した。

Netflixに入会したらこれを観ると決めていたので、やっと観れてよかった。

「俺たちは生きる時代を選べないが どう生きるかは選べる」
考えされられるな、
時代は変えられないのよ…

ヒューが仕事辞めて空軍に入るって言った時はもう頭抱えた。
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