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エンパイア・オブ・ライトのおっとっとのレビュー・感想・評価

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
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冒頭から「まぁなんと美しいこと」のシーンから始まり(ディーキンス御師匠の仕事ですから)、寒空の妙にカラッとしたイギリスらしい風景。どちらも行ったことがないので、コニーアイランド的風景から、ブライトンだと思っていたらマーゲイトが舞台でしたね。(ロンドナー曰く、前者が第二のショーディッチ、後者が第二のダルストン?例えが細かすぎる)

美しさが殊更に主張される度に、そこに漂うは「美しい場所で働く誇り高き人々」ではなく「美しい場所の背後で汚い(or 褒められることではない)こととしながら、そこから呪縛のように離れられない人々」の姿であって、さらには「(差別をする)圧倒的悪に対して怖気付く」姿であって、随分と悲哀の色が強いドラマ。

それはそうか、オリヴィアが全てを持ってしまうからか?観客の全ての神経を彼女に注がせてしまうからか? とにかく彼女があまりにもすごい。
(「ロスト・ドーター」が好きだったのも彼女が主役だったからでしかない気がしてきた)

確かに話はスローで、起結として彼らは、何か変わったのだろうかと思う。でも人生はそんなものなのかもと思う。
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