リリー

ティルのリリーのレビュー・感想・評価

ティル(2022年製作の映画)
4.2
ショッキングな事件なので鑑賞中は感情を抑えて集中するようにしていたので、時間が経ってからじわじわと心に訴えてきます。
1955年は終戦後なのでそれ程大昔には思えないので、その時代にこのような不条理なことが平然と起きてたことに心が痛みます。「ドリーム」を観た時に感じた、差別と偏見が白人の生活習慣に根付いているので誰も疑問を持たない、という現象を思い出します。
アメリカは連邦政府と並んで州政府がありますが強い主権を持っているとのことなので、州によって法律が異なることを実感しました。さらに、まだジム•クロウ法が廃止になる前なのでメイミー母子の住むイリノイ州シカゴとエメットが訪れる南部のミシシッピーでは黒人への風当たりに差があるので、母のメイミーが息子の心配をすることも納得できます。南部の州に行くということはまるで外国を訪れるほどの冒険だったのでしょう。
何よりも「エメット・ティル反リンチ法」がやっと一昨年に制定されたということに驚愕。
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