ばみん

TAR/ターのばみんのネタバレレビュー・内容・結末

TAR/ター(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ホラーみたいで怖かったけど、おもしろかった!クラシックけっこう好きなので、楽しかった。
日本ではレズビアンかつ権力者の女性は主役にしないだろうし、上手く扱えなさそう。
ケイトブランシェットだから成り立ってるのかな。。演技がすごかったしかっこよかった。
最初から最後まで現代を生きる人間としては詰めが甘いよなぁとは思った。
日本にも満ち溢れているような、今まで出会ってきたパワハラ、セクハラ、モラハラ人間たちを彷彿させる人物だった。。
教え子を邪魔するのは盗作や妬みかなと思ったら普通にグルーミング的な感じだったので驚いたし気持ち悪かった。
ターの言動には常にまったく共感できなかったけど、他の人の考察読んでいたら、すごいしっくりきた。
音楽と娘に対してだけは誠実で、常任に上り詰めるまでは壮絶だったんだろう。実力があるだけではダメで、いろんな汚いことしてきたんだろう。そこで認知が歪み狂ってしまったんだろう。。
きちんと裁かれて叩かれて干されて1からスタートするところまで描いてるのはいいなぁ。日本社会では権力者がきちんと裁かれてるのあまり想像できない。。
コロナ禍を描いてるのも新鮮だったし、学生がバッハは差別的だから聴かないって言ってるのも新しいと思った。
作品と人格は切り分けるべきという意見もわかるけど、差別主義者だとわかったアーティストや芸術家の作品はいくら素晴らしくても少し色眼鏡で観てしまうので、学生に共感した。
差別主義者だけど作品は素晴らしいんだからと強制的に触れさせるべきか?じゃあ差別主義者ではない音楽だけを厳選して授業をしないといけないのか?難しい問題だ。。めっちゃ考えちゃった。
こういう自業自得の権力者の転落からの再起って男性主人公に多いイメージだけど、女性でそれを描けるのって、多様性が進んだ社会じゃないとできない。日本ではこんな映画いつできるんだろう?
ばみん

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