※TAR/ターという役名(題名)は、ジョン・ル・カレの「裏切りサーカス」の工作員リッキー・ターと同じ姓だと思ったけど、MI6の方のターはTARRでRが2つだったか。
※作中、シャンタル・アケルマンの「アンナの出会い」とそっくりなシーンが散見。
どちらも男性が殆んどの職業に就く女性が主人公で、主演女優の見た目、雰囲気も似ている。
シャンタル・アケルマンも女性の配偶者をもつレズビアンだった。
※明らかにギルバート・キャプランそのものの実業家兼セミプロ指揮者が登場したり、カラヤンのザビーネ・マイヤー事件を彷彿させるオルガのベルリン・フィルでの抜擢、アバドを意識して服を仕立てジャケット撮影するシーンなど、クラシックファンが観るとクスリとする内容。
※ケイト・ブランシェットの演技が凄すぎてそれだけで、158分惹き付けられてしまう。
※シャロン役のニーナ・ホスが左時枝に見えた。
【以後ネタバレ】
スキャンダルでポストを失い実家に帰りバーンスタインのビデオを見るシーンから、リディアがバーンスタインの弟子であった経歴は虚偽と言っている人もいるけど、そんな嘘はすぐバレる。実際に短期の講義を受けただけかもしれないが、実際に直接指導を受けたことはあったのでしょう。
地獄の黙示録のロケ地=フィリピンに都落ちしたリディア(実際のロケ地はタイとのこと)。
若いオーケストラを指導し初心に戻り音楽に真に向き合うのかと思ったところで、ヘッドフォンをし、コスプレ観客の前でタクトを振るという予想より下に落としてくる後味の悪さと、そういうこと関係なく圧倒的過ぎたケイト・ブランシェットの演技の凄さに再見したいようなしたくないような。
アコーディオンで歌うシーンからリディアの描き方に違和感を感じたし、アジアに行ってからは蛇足にも感じた。
後半の部分が別の展開だったらなと。