「旋律 栄光 絶望 狂気」
ドイツのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団において史上初の女性指揮者に任命されたリディア・ターは、類稀なキャリアを築いていた。交響曲第5番の演奏と録音、新曲の創作に悩まされていた最中、彼女の教え子が自殺したことにより、彼女の栄光とプライドは闇に堕ちていく。
とてもおとなしい映画。エンドクレジットを冒頭に載せているのが印象的。
全てを手にした人間が、自らの手に入れた座にふんぞり返りすぎていた結果、滑り落ちて頭をぶつけるどころか、飲んでた飲み物を思いっきり顔にぶちまけて、おまけにお気に入りの服にでっかいシミまでつけちゃったような話。じわじわと精神的に追い詰められていく姿はリアルで、ケイト・ブランジェットの主演女優賞ノミネートは納得だが、あまり多くを語らないタイプの映画なので、物語を理解するには少し難しい。劇場用のパンフレットに詳しい解説があるので、それを読めばしっかり納得できた。