Chippy

TAR/ターのChippyのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
4.0
素晴らしかった。実在の人物がいる伝記かと思ってたら、完全フィクションだという話。監督がケイト・ブランシェットを念頭に書いたらしい。そしてケイト・ブランシェットも脚本に共鳴し出演を決めたというだけあって完璧にリディア・ターを演じ、素晴らしい作品に仕上がっています。
リディアは類い稀な才能で女性指揮者のトップに君臨する。才能も資質もあり、恐らくとてつもない努力もしたのだろう。それが、自分で自分を壊していき、破滅の道を進んでいく。
彼女は確固たる信念があり、自信もあり、女性指揮者の開拓者で成功してきたことへの自負もあったに違いない。その地位や名誉に溺れ、酔いしれた結果、傲慢で自己中になってしまった。残念だ。
プーチンを思い出してしまった。彼も確固たる信念と、恐ろしく強い原動力があるが故に現在の状況になっている。彼は自分が間違ってるなんて1ミリも思っていない。全世界がおかしいと言ったとしても。同じ狂気を感じた。
ケイト・ブランシェットが素晴らしいことは言わずともだが、監督も素晴らしいと思った。
皆さまもぜひ。
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