Shiro

TAR/ターのShiroのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
4.0
「ケイト・ブランシェットは素晴らしい」

クラシック音楽の世界もホント大変なんだな…というのが第一の感想です。tarの楽譜を欲しがったり、どうやったら弦楽器からあんな音を出させることができるんだ?と質問したりするカプラン。指揮者の世界が垣間見えて面白いです。

驚いたのは、ジュリアードの講義にいたバッハを聴かない貧乏ゆすりの男子学生。あと、バレンボイムを知らないと言った、若い女性チェロ奏者。マジで?と思いましたが、実際にはこういう学生はいなくて、このお話では性的トラブルが背後にあって、その示唆なのかもしれませんね。tarの台詞の日本語訳が男言葉になっていたのも気になりました。これは日本語の難しい所ですね。短絡的にtarを男性的と捉えることはできませんが、tarがもしおじさんだったら、このお話を鑑賞するのはきつかっただろうし、ケイト・ブランシェットで良かったと思います。長尺で難しいですし、何度も鑑賞するに値する作品だと思います。
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