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TAR/ターのwandaのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
3.5
いつもは観たらすぐ感想書くけど、昨日は仕事終わった直後に観たのもあって、一晩寝かしちゃった。
この映画を観た人なら分かってくれると思う(笑) 
長いのも納得。ターという人がどんな人物なのか、前半かなり時間を割いていて、クラシックに素養がないとついていくのがしんどい。それを耐えると話が少しずつ展開していき面白くなっていく。
実はもう一回観ないと分からん部分もあって、でも長いのと字幕の点で(後述)ためらう。
予告も何も情報入れなかったが、スリラーだったとは。ターの精神がじわじわと破綻。
ターをはまり役とは思わんけど、ケイトくらいしかこの役出来ないな、っていうくらい、こういう人がいるかもしれないっていうリアルさというの?それはとても感じた。
ここからは一応ネタバレ含みます。





私はアマプラ字幕で鑑賞。
どうやら、劇場公開(ブルーレイ)とアマプラ字幕(=WOWOW?)はかなり違うらしい。
顕著なのは、アマプラだと、ターの言葉遣いがあからさまに「男言葉」という点。なんていったら伝わるかしら。古典訳のシャーロック・ホームズみたいな口調。確かに彼女はめちゃくちゃ尊大で権力の頂点にいるけどさ…
ターは、レズビアンで彼女と養子もいて子供に「パパ」と呼ばせているので、家では「お父さん」的な立場のよう。でも、トランス男性じゃないよね。
私はジェンダー的なことは勉強中で、失礼にあたったらすまないですが、たとえば日本人のレズビアンの人で(女っぽい外見や男っぽい外見の人が様々いますが)、あんな風な口調を実際に選んで使うものなのか?という疑問?違和感?
ターというキャラ、英語のしゃべり方から感じるのは、あからさまな女性言葉ではないにしても、冷たく突き放した、中性的な言葉遣いのイメージ。それがイコールえらく高圧的な男性言葉になるのかなぁ、と。
英語をそのままネイティブ感覚で理解できる日本人にお聞きしたいですが、英語のターの言葉遣いってどうなの?こういうのが、日本語と英語の違いの面白さだと思う分、難しい。
だからどうせ2回目観るなら劇場版の訳で観たいわけ。

字幕についてだけで、これでも短く書いたつもりで、これだもの。一晩寝かすし、これ以上書くのもそろそろ疲れてきたので、手短に。



言っちゃえば、頂点にのぼりつめたターの転落劇。作中から想像するに、ターは権力をたてに、見返りをちらつかせて、色んな女に関係を強要していたのよね?
いや、強要かは分からないけど、エサをちらつかせた。相手の女たちも見返りを求めているから、ターに近づいて利用していたとも思える。じゃなきゃ、あんな人とは私なら距離をおきたい(笑)
こわいのはいまで言う、キャンセルカルチャーってやつ。しかもいきすぎてるやつ。私はカルマだと思うけど、本当にやってないことまで、やったように悪意で拡散されてしまうのは問題だよ。

それで転落したターは西欧には居場所がなくなり、田舎の実家でビデオテープ見ながら「やっぱり私は音楽が好きでそれしか道がない」と実感し、東南アジアのどこか(どこ?)に根をおろす。音楽ではすごい実績のある人が、アジアでゲームミュージックの指揮者から再出発。端からみれば超苦いけど、本人からすれば何にも縛られず自由に好きなこと出きるのだからハッピーエンドかしら。

あと気になったのは、ターはやたらと音に神経質になっていた。音楽家なのに。だからこそ?何か薬のんでるし、精神的には病を患っていたのでは。

他にも書くことあったけど、もういいや。とにかく楽しくはない映画だった。
エブエブと争っていたけど、エブエブ人気すぎてこの映画は結局無冠だったのね。


10
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