myjstyle

TAR/ターのmyjstyleのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
-
インタビュアーに応えるターの口調は澱みなく堂々としていて惚れ惚れするほど。自信と野心がみなぎっていて圧倒させられます。女性でありながら、男社会が色濃く残る指揮者の世界でのしあがり、今やベルリンフィルのマエストロである。コロナで中断していたマーラーの交響曲の全集も、あとは第5番を残すのみ。でも、この5番は彼女自身がインタビューで述べたように“転機”を示し、重なるように彼女の人生も転機を迎える。皇帝のように振る舞ってきた彼女への嫉妬と彼女の悪行への反逆が一気に吹き出します。物語は一人の天才の栄光と転落と再生を語るものですが、何よりも見るべきは主人公になりきったケート・ブランシェットの憑依したように凄まじい演技、そのものです。度肝を抜かれました。
myjstyle

myjstyle