Jun潤

ツユクサのJun潤のレビュー・感想・評価

ツユクサ(2022年製作の映画)
3.5
2022.05.03

『閉鎖病棟』平山秀幸監督作品。

一億分の1の確率で起こり得る隕石が人に当たる現象。
それを切り口に、とある田舎の小さな港町の狭い人間関係を描き出す群像劇。
断酒を始めた五十嵐芙美とその女友達と子供友達、そして新たに巡り会う運命(?)の人。
不器用な大人たちの嘘と秘密と恋と友情、そして本当の姿。
大人が見る大人の世界、子供が見る大人の世界の双方を、流れ星のように刹那的に俯瞰で見通すお話。

はぁ〜落ち着く話〜。
隕石が落ちる以外は事件らしい事件も起きない、クセはあるけど周りにも居そうな登場人物たちが紡ぐどこまでも普通の日常。
でもその中にも出会い、別れ、子供から大人への成長、大人にも起こる小さな失敗がある。
ありふれた日々だけど、その中に確かな癒しと暖かさ、そして新たな発見がある、そんな作品。

なんの気なく自分の周りに当てはめて観るのも一興ですが、それはそうとなかなかに見過ごせない描写の数々。
愛くるしいキャラクターと、日々の経過で進めていくストーリーの中で意外と体力を持っていかれ、不思議な鑑賞後感の良さからなぜかドッと体力を持って行かれてエンドロール後には放心状態。
ずーっと味わっていたいようなスルメみたいな一作。
Jun潤

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