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モリコーネ 映画が恋した音楽家のIKUZAGIEのレビュー・感想・評価

3.5
映画音楽の巨匠エンリオ・モリコーネのドキュメンタリー映画。エンリオ・モリコーネのバイオグラフィというより、映画における音楽の重要性や影響力の大きさを教えてくれるような映画だったので、とても良かった。
監督がジュゼッペ・トルナトーレだという事で、「ニュー・シネマ・パラダイス」や「海の上のピアニスト」の話がふんだんに出てくるものと期待したが、その辺は意外にもあっさりしていて、ちょっと肩透かしを食らいました。それでもマカロニ・ウェスタンはじめ、たくさんの映画シーンと音楽の話がポンポン出てくるので、157分の上映時間も意外と長く感じませんでした。
彼の作曲に対する考えも良かったです。奥さんが気に入らない曲は世に出さなかったとか、「まずは熟考しないと作曲できない」とか、印象深い話も色々と聞けました。また、ある映画では、脚本と作曲が同時進行で作られたとか、実際に音楽を流して役者が演技したとか、ちょっとした驚きというか勉強にもなりました。
モリコーネが作曲した音楽を聴くだけで映画のシーンが思い起こされるのは、単純に映画とのシンクロ率が高いからというだけでは無く、彼の深いこだわりというか愛情というか責任感というか…。実際どんな人物だったのかは知りませんが、とても真面目で誠実な人だったんだろうなあと思いました。
ドキュメンタリー映画を鑑賞する際、その内容に興味があればとても面白いと思うのですが、興味が無い場合は苦痛の時間でしか無いと思うので、全ての人にオススメかというと少々躊躇してしまいますが、映画ファンの方は鑑賞して損はない。
ちなみに、モリコーネが指揮をとるコンサートの動画は、YouTubeでも視聴できるので興味がある人は是非見て欲しい。「ニュー・シネマ・パラダイス」の「愛のテーマ」は、2023年1月現在で視聴回数がなんと2840万回を超えている。おそらくそのうちの1万回は私が視聴してると思う。(んなことはねーか)
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