常盤しのぶ

リベリオンの常盤しのぶのレビュー・感想・評価

リベリオン(2002年製作の映画)
4.0
どう見てもメジャーなタイトルではないのに、自分の周りでは妙に知名度の高い作品ってあると思う。私にとって本作がそれにあたる。『リベリオンを観たことがない!?』『ガン・カタをご存知ない!?』『リベリオンを観ないという選択肢があることに驚きを隠せない』『リベリオン観ろ観ろ観ろ観ろ観ろ観ろ観て観て観て観て観て観て』などなどまぁー散々言われ、この度ようやっと視聴にこぎつけた。DVDレンタルどこにもなかったんよ……。

オールバックでシワひとつない真っ白なスーツを着たクリスチャン・ベールが管理社会の下で同僚をも殺す非情な殺戮マシーンになっている、というだけで大満足なのに、そこから更なるアクセントとして展開されるガン・カタというトンチキ戦闘術!! どれだけ銃弾が飛び交っていようとも、ガン・カタの動きをしていれば全てが最適化され、敵の銃弾は自分に当たらず、自分の攻撃は全て敵に命中する!! 爽快感が凄い。

管理社会の仕組みも基本的に投薬による感情の排除。感情の排除!! 巷では大画面でビッグブ……ファーザーが穏やかに演説をする姿が映るのみ。時々スターリン。超典型的な管理社会である。素晴らしい。感情規制法違反で逮捕!! 拘束!! そして火刑!!

本作はこの清々しいまでの管理社会と、それに適応したクリスチャン・ベールのキレが良すぎるガン・カタを楽しむための作品である。シナリオはあってないようなもの。管理社会好きとしてはドテンプレもドテンプレなので、独自に楽しむポイントとなると自然と前述した通りとなる。

それにしてもシワひとつないスーツを身に纏ったオールバックのクリスチャン・ベールが後ろ手に組んで立っているだけでなんとサマになることか。あの立ち姿だけで本作を観た甲斐があるというものである。個人的には終わり方に少々不満があるものの、クリスチャン・ベールがカッコいいので一切問題がない。

それはそうと、マズルフラッシュのみで敵を殲滅するシーンはどこかで見覚えが……あ、ザ・バットマンか。