浅野公喜

アンネ・フランクと旅する日記の浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.8
アンネ・フランクのイマジナリーフレンドであるキティーがアンネを探して現代のオランダ・アムステルダムを駆けるアニメ。

アンネが死後強い影響力を持ち、その生涯や生き方に共鳴した人が沢山居る事はアンネの名前にちなんだ建物の多さ等から伺い知る事が出来るのですが、それにもかかわらずアンネから一体何を学んだのかと疑問を抱く程に移民問題等が跋扈する現代も描いています。アンネをただ「若くして亡くなった戦争の犠牲者」と捉えるのではなく、現代を駆けるキティーというフィルターを通して描かれたその豊かな想像力、望んでいた事出来なかった事等含む彼女の人生からもっと学べるものや出来る事を見つけて欲しい、というメッセージがはっきりと見える内容で、アンネの妄想の具現化するような時に幻想的な世界観はある種の説教臭さを上手くコーティングしている印象でした。

外国風ではあるものの目が大き目のキャラクターデザインは日本人も割と親しみが持てるもの。「アンネの日記」書かれた日本語の背表紙の本も有りました。
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