こんな作品見せられたら、点数が付けられないどころか、語る言葉もない…。
貴重品を持参して一箇所に集められたユダヤ人達の表情。
戦後、絞首刑にされるナチスドイツの戦犯野の表情。
それを見て湧き上がる群集…。
『国葬』を観た時も思ったけど、セルゲイロズニツァの作品は、大群衆のモブシーンに圧倒される。
(今の時代、VFXでモブを人工的に描き出すこともできるけど(その理由で『ボヘミアン・ラプソディ』を評価しないという意見を聞いたことがある)ホンモノの映像が持つ力はやはり持ち得ない、ということを本作を観て思う。)
先述したウクライナの群集は、侵攻してきたナチスドイツを喝采で歓迎し、
後にソ連が奪還するとヒトラーの写真を破りスターリンの写真を喝采して掲げた。
統治権力に翻弄され苦しむ被害者としての側面と、時として加害者(を後押しする存在)にも成り得てしまう恐ろしい側面を突きつけられる。
《ドキュメンタリーといえども映像作品なので多少なりとも作り手の意図が反映される》と良く言われるが、
『国葬』に比べて本作はセルゲイ・ロズニツァの見事な編集により