トールキン

ケイコ 目を澄ませてのトールキンのレビュー・感想・評価

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
4.1
淡々と断片的に話が展開されていき最初こそ少々違和感があったけど、ケイコ自身のこと、ジムのこと、会長やトレーナーさんたちのことなどそれぞれの見どころと言うか着目すべきポイントやそんな世界観に次第にのめり込んでいけた。

プロボクサーと言えど人間である以上迷いや不安や葛藤というものが必ず心に存在する。それらを抱えるながら戦う女性という人間像を岸井ゆきのが見事に好演。言葉を発しなくとも目や表情だけで自然と表現していたのが本当に凄い。
何故痛い思いまでしてボクシングを続けるのか。自分のため、応援してくれる人たちのため、それでも辞めるも続けるも自分次第。でも普通に生きていてもそんな時ってあると思う。嫌なことが続いてもちょっとしたことがきっかけで気持ちが変わり、また頑張ってみようと思えたり。勝つことも負けることも、嬉しいことも悲しいことも結局人生においては同じことなのかもしれない。
時には世の中残酷で不条理でな煮え切らないほど辛くても応援してくれる人や手を差し伸べてくれる人たちはいる。ケイコの周りの人々が皆良い人たち過ぎてその優しさに涙が出ました。

映画の終わり方としては非常に現実的でその後のケイコがどんな人生を歩んでいくのかめちゃくちゃ気になる。それが逆に終わり方としては良かった。
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