このレビューはネタバレを含みます
もう岸井ゆきのの演技力の高さに脱帽。
そしてさりげない日常の中で聴覚障害者の生き辛さが表現されていて流石。
特に痛感したシーンが新しいジムと契約する場面でケイコが家から遠いからと言って断ってしまい周りから非難されてしまうシーン。
自分も最初は「え、そんな理由で?」と思ったけど見終わってから耳が聴こえないケイコにとって”家から遠い"という事がどれだけ大変な事か気付いた。
周りから中々理解されないケイコの苦悩が良く描かれてると思った。
そしてそんな自分も映画に登場する無神経な人達と変わらないじゃんとショックを受けました。
自分を表現する術が他の人より少ないケイコから感情を読み取るにはその表情や仕草から読み取るしかなく正に観てる側も目を澄ませないといけない。
なんだかタイトルも巧いなぁ。
物語に起伏がある訳ではなく淡々としていて決してエンタメとして面白いとは言えない作風だけど、
周りに理解されない、自分の気持ちを伝えれない。そんな聴覚障害者の辛さが良く表現されていて心に残る映画でありました。
2023年28本目