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君を想い、バスに乗るのbuddyのレビュー・感想・評価

君を想い、バスに乗る(2021年製作の映画)
3.5
劇中で老人が一人で長距離旅をする姿がSNSやニュースで注目を浴び、多くの人々の心を捉える場面がいくつか出てくる。
しかしこの旅の真の目的や過去の出来事は当事者にしか分からず、私たちは断片的な情報を通じて物語を理解していく。
劇中では主人公と妻との間に何があったのかが一部描かれつつも、最終的な物語は観客の推測に委ねられている部分も多い。

この作品は、物語の中で主人公と妻の間にあった出来事や感情が部分的にしか示されていながらも、その一部から深い感動や共感を引き出している。物語の真の意味や結末は、主人公だけが理解し、見届けることができるもの。
しかしこのような当事者による完結もまた美しい。
この物語は、誰かの物語に触れることで感動し、共鳴する私たちの日常も反映している。
ただその物語の真の本質に到達するのは難しく、真の結末は物語の主人公の中にのみ存在する。
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