"若さこそが全て"
A24のホラーということで期待していた本作。
観てみると予想の斜め上を行く捻りの利いた快作(怪作)でした。
これは新しい恐怖の形であり、現実を蝕んでいる病を見事に反映している。
その病とは"若さ至上主義"である。
「若ければ何でもできる。」
「若さは買えない。」
「いつまでも若々しく。」
テレビでも広告でも若さこそが全てと言わんばかりの言葉が並んでおり、人々はそれを刷り込まれて生きている。
若いというだけでチヤホヤされる時期がある。
では、若さだけが取り柄の人間が老いたらどうなる？
人間は老いからは絶対に逃れられない。
失った若さは二度と手に入れられない。
老いという絶望が人を狂気へ陥れる。
個人的にはとても納得のいく現実的な恐怖であった。
先の読めないストーリーが楽しく、テンポも良い。
音楽使いや演出もスタイリッシュ。
ホラー映画として非常に満足感の高い一作。
