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ALIVEHOON アライブフーンのoのレビュー・感想・評価

ALIVEHOON アライブフーン(2022年製作の映画)
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映画館で見逃していたところ、整ったホームシアター環境で見る機会を得て鑑賞。
王道のスポ根的サクセスストーリーをテンポよく丁寧に描いていて、一人一人の内面が垣間見えるような物語になっていてとてもよかった。
何より、日本発祥というドリフト文化をCGを使わず実車で見せてくれてるから臨場感抜群。これはたしかに映画館や大きいスクリーンとそれなりの音響環境で見たい映画で、自宅の小さめのテレビや控えめな音量で見て(あんま面白くなかったね)とは言われたくない映画だと思った。
野村周平くんは根暗なゲーマードライバーを淡々と演じてて既定路線ながら本人の明るいイメージとギャップがあっていい。
吉川愛ちゃんは一度引退してからカムバックしてくれて本当によかった。ビジュアルがいいというのはものすごく表面的な評価で、演技にリアリティを感じさせるのがうまい。かわいい女性メカニックというキャラクターは男性の幻想的存在ながら、大羽(野村くん)が彼女に食い気味にならないことで本筋がブレないようになってるのは抑制された脚本のうまさ。
王道ストーリーでも飽きさせないのは、車の臨場感を実車で魅せ、人間関係のさじ加減もちょうどよく、時たま遠景のショットを入れる撮影のバランス感覚も優れているからで、全体を俯瞰した総合力の勝利。
これから公開されるグランツーリスモがどう仕上げてきてるのか比較したい一本。グランツーリスモ公開時にリバイバル上映してくれてもいいんじゃないかと思う。
なんの気なしに見たらいい意味で裏切られる近年稀に見る邦画の良作。
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