セガール幹事長代理

きさらぎ駅のセガール幹事長代理のレビュー・感想・評価

きさらぎ駅(2022年製作の映画)
3.0
電車寝過ごしたら廃村に着いた話。

寝過ごしメンバーはDQNアベック、アベックのパシリ♂、ワンカップ命おじさん、JK、女教師と、素晴らしい男女比で、且つどの層のコンパのニーズにも見事に応えた、愉快な面々である。
なんならDQNはすでにカップルが成立してるので、おっさんや冴えないパシリの兄ちゃんでもJKを狙える、夢のある陣営である。
個人的に一番お気に入りはDQN♂で、パシリに「お前なんで俺を起こさねえんだよ!」と文句を浴びせるんですが、友達と遊びに行く日にお母さんに起こしてもらえなかった中学生とやることが一緒で、私の母性本能はくすぐられまくりでした。

この手の映画はクソだと相場は決まっているし、題名に「駅」ってついてるのにすぐ駅から出るし、嫌な予感がえげつなかったんですが、期待はいい意味で裏切られ、初代プレステぐらいのCGを差し引いても、(中盤ぐらいまでは)メリハリのある起承転結と捻りのある話運びが光り、総合的に満足度は高かった。
若い子いるよ、って言われて入ったスナックの一番若い子が50代だったんだけど意外と話は合うし明朗会計だし、なんやかんや70点、みたいな悔しい感じに落ち着いてしまいました。

文句があるとすれば、この映画に限った話じゃないんだけど、カップルの片方が死んで、片割れが悲しみから回復するまでの早さ、あれなんとかならんのかね。
本作において彼氏が(文字通り)破裂するシーンがあるんだけど、女の子が数分で笑顔取り戻してたからね。

あと私は子供の頃から、電車でワンカップ飲むおっさんには絶対になるまいと思って力強く生きてきたけど、駅のホームで蓋を開ける瞬間のたまらなさを知ってしまうと、最早後には戻れないので、小さい子が家にいる方はそのあたりを、お子様にあまり彼らを迫害しすぎないように教えてあげてください。
「見ちゃだめ」って言われて傷つかない人間はこの世にいないのですから。