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きさらぎ駅のTKEのネタバレレビュー・内容・結末

きさらぎ駅(2022年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

そんなに面白くないだろうなぁ…と期待しないでいたら、それなりに面白かった作品です。
まあ、B級感は否めないのですけど…。


電車に乗っていてふと気づくと、知らない風景が広がっており、たどり着いた「きさらぎ駅」
空の色もおかしく、周りに人がいる気配もなく、異世界に来てしまったのでは?という都市伝説をモチーフとした作品です。


前半は実際にきさらぎ駅に行き、無事に帰ってきたという葉山の体験を民俗学を専攻し卒業論文を書くために学生の春奈が取材することで異世界を疑似体験する展開。
この時はFPS映像で見ているこちらが異世界を疑似体験できるような作りになっているのだが、意外としっかりしているうえに不気味さはよい。

途中で紆余曲折ありつつ、共に行動していた人達も命を落としていくが、最後にはなんとか現実世界に戻ってきたものの、7年の時がたっていたという葉山。

春奈は異世界に行く条件を「特定の順番で電車を乗り換える」ことではないかと推測し、実行するとなんときさらぎ駅に行けてしまう。
そこでは葉山から聞いた通りの人達がおり、言動を含め、全く同じ行動をするのでした。


ここから通常の映像に切り替わり後半に入るわけだが、春奈は葉山からこれから起こる全ての事を聞いているため、難なく危機を回避していく。

ゲームの2周目をプレイしているようなものなので、あまり危機感はなく、絶妙にショボいCGも相まって「ギャグ映画かな?」みたいになるのだが、聞いていた話と違う人物が生き残っているせいか、予想外の展開が発生し始め、春奈が追い詰められていく様子はなかなかにドキドキした。


最終局面、最初はいったいどういうこと?と思ったのだが、ようは葉山が異世界に取り残されたある人物を助けるために春奈に一部嘘を吹き込んでいた…ということらしく、自業自得ともいえる結末を迎えてしまうのでした。

この終わり方は理不尽で結構好きです。


なお、エンディング後には続きが描かれ、きさらぎ駅のループは途切れないことが示唆されていますが、そうなると、異世界にいる人達ってどんだけ閉じ込められてるんでしょう?

新しく人が増えたとして、誰も出ることが出来ず全滅したら、少しずつ人が増えていくのかな?
また、駅に降りずに電車に乗りっぱなしだった場合どうなるかなども気になるところ。
葉山の家に貼り付けられていた行方不明者の情報量から推察するに、相当数の方がきさらぎ駅に迷い込んでいる気もするのですが、真相やいかに?(スピンオフ的な異世界物がその内出たりして)


フリーのホラーゲームを映像化したらこんな感じなんだろうな…という印象でした。
大作ではありませんが、暇つぶしに見るにはちょうどいいかと思います。
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