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きさらぎ駅のPnoriのレビュー・感想・評価

きさらぎ駅(2022年製作の映画)
3.0
落ちればB級邦画確定の綱渡りを、脚本の妙で何とか渡りきったな、という印象。

あの内容のうっすい都市伝説をここまで引っ張ったのには頑張ったで賞を捧げます。

ジャパニーズホラーの定番である勧善懲悪or懲善懲悪(良い人なのに結局は…)を逆手に取った展開が上手い。

ただ、前半のきさらぎ駅エピソードに時間を使い過ぎてちょっとダルい。
使い古された手法で全然怖くないし、そんなダサい演出やるくらいなら忽然と消えちゃった方が不気味で怖い。手間も省けるのになぁ思ったり。

一番怠かったのが昭和のチンピラ兄さんと姉さんね。
今時「てめぇぶっ殺すぞー!」なんてヤクザでも言わんし「◯◯がいないとワタシ生きていけない!」とか時代錯誤もいいとこデスよ。あと望結ちゃんの変な敬語も気になる気になる。

とは言え、後半はほとんどコメディなのが面白い。チンピラ兄さんいらないからサイコパスイケメンとかアイドルヲタク入れて、もっとマニアックでアホっぽいのも良かったかも。

最後はみんなまとめてやっちゃえーてな感じで雑だったのがちょっと残念。

使い古されたネタで昭和レトロ感は拭えないけど、一捻りあってなかなか佳作的な良作。

でもこういうのが面白いと感じるってことは、貞子的なジャパニーズホラーが絶賛される時代はもう終わっていて、新たな転換期を迎えているのかもしれない。

そうだよね?中田監督&清水監督?
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