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オードリー・ヘプバーンのBOBのレビュー・感想・評価

オードリー・ヘプバーン(2020年製作の映画)
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「彼女は愛する力を持っていた。世界中の子供を愛し、自分自身の子供も愛した。そして人生の最後に自分自身を愛した。」

ラストは思わず感極まった。オードリー・ヘップバーンという人間が、なぜ今もなお世界中の人々から愛され続けているのか、その理由が分かる気がした。と同時に、子供にとって、両親の愛を"正しく"受けて育つことがどれほど重要であるかを痛感させられる作品でもあった。


"愛の芸術家"。愛に飢え、世界一愛された人。無償の愛を証明しようとした人。永遠のスタイルアイコン。

生い立ち。父親は外交官、母親は貴族の家系。両親はナチスシンパのファシスト。6歳の時、両親が離婚し、父親が失踪。ナチス占領下オランダで辛い幼少期を過ごす。心の逃げ場はバレエやショービズ。

ハリウッド黄金期、最後の映画スター。映画スターっぽくない映画スター。当時流行りのお色気タイプとは大きく異なる新しい女優像を築く。ファッションシーンにおいても、ジバンシィと共に"オードリースタイル"を創り上げる。

父親の不在。父親の愛を求めて苦しむ。捨てられることへの恐怖が、自らの夫婦生活にも影響を及ぼす。男運がなかった。心配性だからこそ、完璧な自分を創り上げようとした。

愛が得られなかった苦しみを、愛するという行為に変える。
・最も幸せなのは、家族と一緒に平穏な生活を送ること。人気絶頂期に映画界を去る。
・ユニセフ親善大使。助けられた側から、助ける側へ。女優人生で得た"声"を、世界中の子供たちのために使った。活動に尽力した5年間で、ユニセフの規模が2倍に。

「美は見た人が感じるもの、自分では見られない。」

「愛情に飢えすぎると、愛されることに感謝し、愛を与えたくなる」

「人生は一度きり。それは自分と家族と子どもたちのもの。私生活をほとんど公表しないのは、本物の生活を送りたいから。普通の日常を過ごしたい。」

「どんな悲惨な状況でも、人は助け合える。悲惨であればあるほど、互いが必要になる」

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