先日予備校で教えている友人と話していることが頭をよぎった。生徒に対して「影響を受けた作家を反映した映像を撮ってくる」ことを課題としてだし、ある1人の生徒が「冒頭は小津の切り返しで、中盤は北野武のソナチネで〜」という作品を撮ってきた、結局最終的にはその子は作品を一本も見ておらずまとめサイトや紹介YouTubeを観てただけという驚愕の事実に言葉を失った。SNS時代におけるデジタルネイティブの到来を肌に感じ、本作の表面的な流れゆく風景を観ていると無機質な感情にならざるを得ないのと同時に現代的ドキュメントの哀しみを抱えた作品だなと感じた。
（作風だからどうしようもないと思うのだけど）インタビュー中、被写体が良いことを言っている顔のシワや表情を見逃したくない派なので強度のない街の風景で持続させるのには無理があるとしか思えなかった。コンセプトが先走りすぎてそれに伴った映像になっていない。というよりドキュメンタリーで「顔」を排除するほどのメリットが無いと一部を観て感じた。特筆すべきは画面から伝わる監督の「映画愛」とは何かを考える、ということで作品を作ろうというのが個人的にはノれない原因か…

トークメモ2022.2.12

鳥取、自主上映や企画イベント、毎週末何かしらやっている。県内に3館のみ、ミニシアターは無し。
徒歩の映像になった理由。今まで人間しか出てこなかった、過去に何かあったルートを辿ったり今回の作品に繋がってる。インタビューからインタビューまでの地点を忠実に再現。土地の上でどんな景色を見ながら生きているのか。若松孝二「壁の中の秘事」をもじったタイトル壁の向こうに。鳥取の風景はオフィスビル・シャッター街などの裏では色々やっている人がいる。ちょんまげ制作の森本さんが一番最初でその他はバラバラに撮影。音楽と主題歌、田中文久さんに依頼。映画として観れるように、エンディングははらまさと監督が70年代に制作した映画の劇中歌の旅に出る歌をアレンジ。映画を探す旅。はらまさと監督は失敗からはじまる、火事とか撮りたい映画が撮れないとか。

• #mingo2022

鳥取という場所の中での映画を捉えていく。
それぞれの持つ映画への愛、上映環境

あの映画サークルの感じ、めちゃくちゃわかる、、、

子供の頃に映画館で浴びるように映画を観た人たちの撮った映画に憧れた人たちの撮った映画に嫉妬したりしているわたしたちの映画愛の現在が映画館で見れたことが嬉しい。