【コビトが見えるより大切なことは沢山ある】
U-NEXTにて。2021年の八代健志作品。
肝となるビジュアル演出は巧い言い訳だなあ、と感心した。
ステイホームの頃、軽井沢の自然に囲まれて発想したらしいが、正直、呑気だとは思ったが。
現実の自然の中に、コビトのパペットを置いてアニメートすると、成る程、SF(少し不思議)風の映像が出来上がる。パペットはふつうに動くのに、背景はタイムラプスの状態となり、太陽の移動を始め、猛スピードで時間が過ぎてゆくわけだ。これは確かに、一見の価値ある画でしたね。
映画史の中では、必ず誰かが既に試していると思うけど、この映像効果を“コビトの動きが我々と違って超低速度なのだ”と言い切ったところが潔い。www
でも、そこだけだなあ、感心したのは。
その演出アイデア一発で終わったかんじ。失われた感性へのノスタルジー、というまあ、使い古された自己憐憫で終わる物語は、あまりに何も考えて居ない気がする。
逆に、現代の都市部にもプックラポッタは生息しており、殺伐としたビジネスの現場にもホラ、あそこでコッチを見ているよ…という話にでもした方が、よほどwithコロナ以降に相応しいと思うのだが。
続編があるなら、ぜひ“上京”してほしいと思います。
<2024.5.22記>