タイダのシマツ

小説家の映画のタイダのシマツのネタバレレビュー・内容・結末

小説家の映画(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

友人が、ホン・サンスの描く会話のぎこちなさや気まずさが良いと言っていた理由がわかった。
私も、ああこういう空気ってあるよなあ…って映画を観ながら何回かにやにやしてしまった。

なんだかシンプルな映像だと思った。
会話のシーンがずっと続いていく。はっきり言って退屈さも感じたが、そんな何事もない会話が淡々と続いていくからこそ、冒頭の叱咤はなんだったのだとか、食堂をじっと見つめる女の子は何者なんだとか、女優が纏う寂しさの理由はなんなんだとか色々頭に浮かんでくるようではある。

小説家の映画だから交友関係も詩人や監督、女優と豪華だ。まるでセレブリティ。これを我々大衆に向けて描く意図は何か。主人公らしき小説家の映画に対する持論は監督のそれなのか。依然謎は残る。
ホン・サンスの違う作品も観てみたくなった。