あお

苦い涙のあおのレビュー・感想・評価

苦い涙(2022年製作の映画)
3.6
失恋真っ只中でウジウジしている映画監督のピーター
友人の女優が連れてきた青年アミールと出会い彼に夢中になる
いつしか翻弄され嫉妬し苦しむピーターの姿が惜しむことなく映し出される

娘ガブリエルや母親がいたってお構いなし
癇癪をおこし周りの人が幸せそうだと怒り
手のつけよう無し
愛に振り回される情けない男をドゥニ・メノーシェが見事に演じていて達者ぶりに驚く
レコードをかけて浸ってみたり
ムードたっぷりで言い寄ってみたり
そういう表情も見せてくる
役者ってすごい

弱いものに寄り添う映画をつくるピーター
実生活との乖離がまた面白い
助手のカールを使用人のようにつかい容赦なく当たる場面もシュールでいいし、最後のしっぺ返しもよかった
オゾン監督ならではの風刺やユーモアも効いている
なんどもかかる間違い電話のシーンとか好き
終始ピータの家の中で繰り広げれる物語なので舞台を見ているような作品だった
あお

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