KnightsofOdessa

A E I O U - A Quick Alphabet of Love(英題)のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

1.5
[ドイツ、母音のレッスンと恋のレッスン] 30点

ニコレッテ・クレビッツ長編四作目。60歳になるアナは全盛期の過ぎた女優で、今ではプライドの方が収入より高い。家賃も滞納しているが、下階に住む大家は寛大で仲も良い(大家は迫力のあるウド・キアであまりにも役不足)。ある日、彼女はひったくりの青年に恋をしてしまった。そして、渋々引き受けたスピーキングコーチの相手が、その青年アドリアンだった云々。題名の"AEIOU"は母音の羅列であり、アドリアンへのレッスンでも登場するのだが、"全て(Alles)はAから始まる"という言葉、そしてアナとアドリアンという名前から察するに、Aにしか興味はないようだ。映画はアナ、アドリアン、世界のすべて!みたいな感じの関係に至るまでの短い期間を描いている…わけだが、単純に"一目惚れ"!というだけしか描かれないので、二人が互いに夢中になるという一番大事な部分が繊細さに欠けて全く訴えかけるものがない。退屈でベタベタなメロドラマを年齢差付けて再演しただけ(ちなみに年齢差恋愛関係をMay-December Relationshipと呼ぶらしい)。コンペに入ったのは地元枠だからと思いたい。
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