Finn

家をめぐる3つの物語のFinnのレビュー・感想・評価

家をめぐる3つの物語(2022年製作の映画)
3.4
1つの家にまつわる3つの異なるストーリー(恐らく過去〜未来?)で構成されたオムニバス作品。
ストップモーションアニメで可愛いんだけど、イギリスらしいブラックユーモアと教訓的な内容で考えさせられるダークコメディ。

1話目と2話目はバッドエンド、3話目がかろうじてハッピーエンドかな?
それぞれの話は全然違うんだけど、通して観ることで、この作品が伝えたい事が伝わってきた気がする。

こういうダークな作品好き!ブラックミラーとか、デスが好きな人はたぶん好きだと思う。
ミア・ゴスやヘレナ・ボナム=カーターも声優を務めてます。ヘレナの声って落ち着くから好き。

以下各話の感想(ネタバレありかも)

1つ目の主人公は人間。
貧しいながらも一生懸命で楽しく過ごしていた家族だったけど、うるさい親戚を見返すために大事なことから目を背けて家を手に入れた父親のせいで起こる悲劇…登場人物の目が異様に小さいのは、都合の良いことしか見えてないことを揶揄してるのかな?
物とか家じゃなくて、家族と娘たちを大事にしないといけなかったのに。盲目になったらダメね。

2つ目の主人公はネズミ。
コスト削減のために自分でリノベして、家を売って利益を得ようとしたけど、表面だけ取り繕った結果めちゃくちゃに…。家だけじゃなくて私生活も、恋人がいるかのように見栄を張っていたことも発覚。擬人化されたネズミだったのに、ラストで本物のネズミに成り下がったのが印象的。それが本性だったってことなのか。
虫が嫌いな人は要注意!!

3つ目の主人公はネコ。
家を残して街全体が水に沈んだ世界で、主人公は1人で家のリノベを頑張っているけど、どんどん水位が上がって危険な現実から目を逸らし続けてる。ついに最後の住人2人も出ていくことになったけど、家にこだわる主人公は取り残され…。街も家も沈んだけど、こだわりを捨てて仲間と共に一歩踏み出したラストには希望を感じた。
過去やこだわりを捨てて前に進むのは勇気がいるけど、大事なことだなぁ。

総じて、現実とか大事なことから目を逸らさず生きていこうってメッセージなのかなと感じた。
アニメーションだから暗くなりすぎなくて丁度いい。
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