デンマークに密入国しようとした少年が持っていたのは、行方不明になっていた男のパスポートだった。ある事件で療養していた刑事のカールは復帰早々に相棒のアサドとこの事件を担当するが…。ベストセラーの映画化第5弾のミステリー映画。
今回はキャストを一新して雰囲気も前シリーズを踏襲しないという意欲作。
カールとアサドの配役はより原作に近いイメージにしたそう。この辺は原作のファンから散々言われていたので配慮した形なのでしょうか。
優しいアサドのキャラは変わっていないが、よりドライで冷徹なカールはかなり印象が変わっていました。
話の構成も猟奇的さを前面に出した前シリーズと違い、政治色を絡めより本格ミステリーにシフトした印象。カールとアサドのコミカルな関係性も排除してよくあるタイプの刑事2人組という感じになっていました。
ローセは美人でしたが普通で前作のようなキャラ立ちはしていません。
気持ちは分かるが少年に可愛げがなくて同情を誘われないのが難点。
北欧ミステリーなのでスカッとしないのは承知ですけど、どうも分かりにくく「こうだったからそうなった」という要点が掴みづらいです。
重厚さはあるが結局、少女の死は?なぜ言われてるのにあの精神科医は絵の写真を見ないの?など細かい点が置き去りのまま…。
終盤もかなり強引な感じがしましたね。
確かに新たな感じのダークさとカールの冷徹さは新鮮味がありミステリーとしては楽しめる。しかし、極めて普通の刑事ミステリーになっていて、前シリーズが好きだった人はガッカリ間違いない作品だと思います。終わりかたは好きな映画。