マングースOL

裸足の1500マイルのマングースOLのレビュー・感想・評価

裸足の1500マイル(2002年製作の映画)
3.5
🖋感想&考察 ⚠️ネタバレ注意⚠️
大学の授業で視聴。白人化政策の裏側をリアルに描いた、実話に基づく映画となっている。
アボリジニの子供を親から引き離し、白人の文化を教え結婚させることで、先住民の血を薄くさせたかつての政策がどれほど残酷なものであったか。諦めて従う子もいる中、主人公は共に捕まった妹と従姉妹?と共に施設を脱出しようとする。足跡を残さないよう石の上を歩いたり川に入ったりする幼い彼女の聡明さに驚かされるが、それと同時に追跡者が迫ってくるハラハラ感も観ていて飽きない仕上がりになっているので、ただの映画としての完成度も高い。
考えさせられるのは、白人側の描写。彼らは決して、マンガや映画に登場するような悪者ではない。「無知な先住民を救ってやっている」と本気で思い込んでいるため、逆にそこが恐ろしい。人間はどこまで自らのエゴを押し付けたら気が済むのだろう。良かれと思ってしている行為が実は相手を苦しめていることもあると分かれば、こうした問題も少しは減るだろうにと呆れてしまう。
こうした映画は今まであまり観ることがなかったのだが、今回授業というきっかけで観る機会を貰えたことを嬉しく思う。